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大法人の子会社である中小法人には、中小法人の特例が適用されないのでしょうか?

 

中小法人、すなわち資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人の優遇税制は、大法人、すなわち資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人・相互会社・外国相互会社・法人課税信託の受託法人との間に、大法人による完全支配関係がある法人には、適用されません。

平成22年度税制改正によって、平成22年4月1日以後に開始する事業年度においては、中小法人、すなわち資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人に係る次の制度は、大法人、すなわち資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人・相互会社・外国相互会社・法人課税信託の受託法人との間に、大法人による完全支配関係がある法人には、適用されないこととなりました。
・法人税の軽減税率(法人税法第66条、租税特別措置法第42条の3の2)
・貸倒引当金の法定繰入率(租税特別措置法第57条の10)
・欠損金の繰戻し還付制度(法人税法第80条、租税特別措置法第66条の13)
・特定同族会社の特別税率の不適用(法人税法第67条第1項)
・交際費の損金不算入制度における定額控除制度(租税特別措置法第61条の4)
「中小企業は、財務基盤も弱く資金調達能力に対する税制上の一定の配慮が必要である」ため、政策上の配慮から上記の中小法人の優遇税制が設けられました。一方、大法人の子会社である中小法人は、グループ法人税制が導入され、大法人の分社化した一つの事業部門という位置付けから独立した他の中小法人と同等の恩典を与える理由が乏しいために、中小法人の優遇税制が適用されないことになりました。
そして、資本金又は出資金の額が5億円以上という基準については、税法上の大法人では社会通念上の大企業より広範すぎることから、会計監査人監査が義務付けられている会社法上の大会社の定義に準じたものです。ただし、会社法上の大会社は、資本金5億円以上又は負債の額が200億円以上の株式会社となっていますが、中小法人の特例の不適用については、資本金又は出資金の額だけによって判定されます。
また、大法人による完全支配関係とは、大法人が普通法人の発行済株式等の全てを直接又は間接に保有する関係のことです。したがって、大法人の孫会社・曾孫会社も大法人による完全支配関係のある会社に該当し、中小法人の特例が不適用となります(法人税法基本通達16-5-1)。
なお、大法人には外国法人も含まれることから、資本金又は出資金の額が5億円以上である外国法人との間に当該法人による完全支配関係のある中小法人にも、中小法人の特例が適用されません。

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